こんにちは。香椎浜教室の田村です。
今回は【運動学習】について
紹介していきたいと思います。
運動学習とは
「練習や経験に基づく一連の過程であり、
結果として技能的行動を行う能力の
比較的永続的な変化をもたらすもの」
だそうです・・・
うーん、、、ちょっと難しいです。
いろいろな運動技能を獲得する過程である
ということは分かりましたが、
「比較的永続的な変化」とは何でしょう?
運動生理学者のSchmidtさんという方の表現では
「水は熱すれば
沸騰するという変化が生じるが、
熱することを止めると元の水に戻る。
一方で生卵を熱するとゆで卵に変化するが、
熱することを止めても生卵には戻らない」
このような、
ゆで卵のような状態を
「比較的永続的な変化」といいます。
つまり
「ちょうちょ結び」がすきっぷでできても、
家や生活で使えてなければ、
一時的な変化はあったものの、
運動学習は、成立してないことになります。
ここまでで
運動学習がどんなものなのか、
なんとなく分かって頂けたでしょうか。
それでは少し詳しく説明していきます。
運動学習には3つの過程があります。
- 認知段階(なにをするのか)
- 連合段階(どうやってやるか)
- 自動化段階(いかにうまくやるか)
に分けられています。
車の運転を例にして頂くと、
分かりやすいのではないでしょうか。
大人も
「車の運転免許を取得する」為に
教習所に通うと思います。
「認知段階」では、
運転のルールややり方、
物の名称や場所を覚え
正しい運転がどのようなものなのか、
何をすれば運転ができるかを学びます。
その後「連合段階」では、
実際に運転を行い、どうすればよいかを
練習していくと思います。
初めて運転した時は、
「これをこうして、、、あれをこうして、、、」
など意識しながら行い、
運転はできていても会話する余裕や、
景色を楽しむ余裕もないと思います。
ましてや、
乗ったことがない不慣れな車などは、
怖くて運転できないと思います。
こういった練習を
様々な状況で繰り返し経験することで
「自動化段階」では、
意識しなくてもスムーズに運転が
できるようになります。
音楽を聴いたり会話を楽しんだり、
初めて運転する車でも
少し慣れれば大体は運転できると思います。
これは
「靴ひもを結ぶ」
「箸の持ち方をきれいにする」
「走るフォームを綺麗にする」
など様々な動作を覚える時も同じです。
自動化段階になるまでには
たくさんの練習が必要であり、
本人の「やりたい」「できるようになりたい」
という気持ち(動機)や
環境も大切だと感じています。
また、新しい動作・運動を習得(運動学習)
するときには教示も重要です。
教習所では
教官のアドバイスのことですね。
この教示はフィードバック(感覚情報)として
学習過程において大きく影響しますが、
また別の機会に、ご説明できたらと思います。
子どもたちは、運動学習だけではなく
同時に発達・成長しています。
子どもたちの
「やりたい」「できるようになりたい」
気持ちを引き出し、それらができるように
様々な視点からご支援ができたらと考えております。